群馬の偉人

内村鑑三(うちむら かんぞう)・群馬の偉人

江戸小石川生まれ。
高崎藩士・内村宜之の長男。群馬ゆかりの偉人。

1861(文久元)年3月26日-1930(昭和5)年3月28日 70歳

内村鑑三
(国立国会図書館・近代日本人の肖像より)

1874(明治7)年、東京外国語学校(のち東京大学予備門)に入学。1877(明治10)年、札幌農学校第2期生として入学。新渡戸稲造、宮部金吾と同級。彼らと共に、1878(明治11)年、受洗。

卒業後、開拓使御用係、農商務省農務局水産課に勤めるが、1884(明治17年)、役所を辞職し、同年11月、米国に私費留学する。1886(明治19)年、アマスト大学にてJ・H・シーリー総長の感化により回心を体験する。

これ以降、内村の行動は、福音主義信仰とそれから導き出される思想に一貫して基づくこととなる。帰国後、第一高等中学校在職中、教育勅語奉読式で「不敬事件」(1891(明治24)年)を起こし、職を辞す。

この頃から旺盛な執筆活動を開始し、『基督信徒の慰』『求安録』’HOW I BECAME A CHRISTIAN’(のち『余は如何にして基督信徒となりし乎』として翻訳)’JAPAN AND JAPANESE’(のち『代表的日本人』と改題、翻訳)など主要な著作を著わす。

代表的日本人 (岩波文庫)
代表的日本人 (岩波文庫)

1897(明治30)年、黒岩周六(涙香)に招かれ『万朝報』英文蘭主筆となり、幸徳秋水、堺利彦らとともに社会評論家としても世間で名が知られるようになる。1901(明治34)年に『万朝報』が結成した「理想団」には幹部として参加し、また、足尾鉱毒事件では鉱毒反対運動にかかわるなど、社会運動家としても活躍する。

しかし、日露戦争を機に「非戦論」を展開し、幸徳秋水、堺利彦らとともに『万朝報』を退社(1903(明治36)年)。内村の社会的活動はこの時期をピークとして徐々に影を潜め、それと反比例するかのように聖書に対する内在的な関心を深める。

信仰については、1898(明治31)年、『東京独立雑誌』を創刊(1900年7月まで)、それにかわり1900(明治33)年9月に『聖書之研究』を創刊。1901(明治34)年には『無教会』を創刊し(1902年8月まで)、無教会主義を創唱。生涯、平信徒として聖書の研究と執筆活動をつづけた。1918(大正7)年からは、キリスト再臨信仰に基づく再臨運動を開始。

1903(昭和5年)3月28日、死去。この年の4月25日、『聖書之研究』は357号をもって終刊となる。

【思 想】
内村鑑三は8歳で明治維新を迎えるが、多感な青年時代にはまだ日本という国家の形が定まっておらず、この時代の他の有為の青年と同様に、国家のあり方を考えることと自らのあり方を考えることは同義であった。内村のそのような姿勢は彼の墓碑銘ともなった次のアフォリズムに表される。

I for Japan; 
Japan for the World; 
The World for Christ; 
And All for God

しかしながら、内村が直面していた歴史的現実は多くの場合、内村のこのような理念を裏切りつづけた。国内的には富国強兵・殖産興業のスローガンの下、日清・日露戦争、民衆の被害を軽視した足尾鉱毒事件に直面し、国外的には第一次世界大戦をむかえることとなる。内村はそのような歴史の流れに抗するように、「非戦論」を唱え「鉱毒反対運動」に関わり、日本が自らの?天職?を自覚し、まっとうするように促す?預言者?的とも言われる発言を繰り返した。

「武士の子」であり愛国心の強い内村鑑三が、外来の宗教であるキリスト教の信仰へと到った葛藤の経緯は『余は如何にして基督信徒となりし乎』に詳しい。

余は如何にして基督信徒となりし乎 (岩波文庫 青 119-2)
余は如何にして基督信徒となりし乎 (岩波文庫 青 119-2)

信を得るまでの葛藤の中で、内村の思想の基本的なあり方が形成されたと考えられる。内村が生涯愛しつづけることになる「二つのJ(Jesus, Japan)」の間にある緊張した関係は、米国留学中に体験した「回心」により内的には堅固に結び合うことになったが、外的には離反しつづけるかのように見える、その緊張関係が内村の思想と信仰の原動力となる。(京都大学日本哲学史研究室より)

内村鑑三記念堂・石の協会(長野県軽井沢町)

内村鑑三墓所 多磨霊園(東京都府中市)

内村鑑三所感集 (岩波文庫 青 119-5)
内村鑑三所感集 (岩波文庫 青 119-5)

後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)
後世への最大遺物・デンマルク国の話 (岩波文庫)

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