金沢市下新町(金沢市尾張町・久保市乙剣宮近く)生まれ。
1873(明治6)年11月4日-1939(昭和14)年9月7日 65歳
尾崎紅葉門下の小説家。
『金沢三文豪』のひとり。
本名・鏡太郎。金沢の彫金・象嵌細工師泉清次の子に生まれる。若く美しいままの母を幼少期に失った彼は、美をそして美しい女を聖なるもの至上のものとして生涯描き続けます。
鏡花の名は、「共に美しいがそれを手中にはできない」の意味を持つ「鏡花水月」の語からきています。
尾崎紅葉に師事し、『夜行巡査』『外科室』で評価を得、『高野聖』で人気作家になる。江戸文芸の影響を深くうけた怪奇趣味と特有のロマンチズムで知られる。その他『婦系図』『歌行燈』『夜叉ヶ池』など。
「義血侠血」(明治27年)「照葉狂言」(明治29年)「薬草取」(明治36年)など、金沢を舞台とした作品が多く、「義血侠血」は「滝の白糸」の外題で新派の当り狂言となり、兼六園でのクライマックスではことじ燈篭の書割が背景になっています。
大正8年から連載発表した長編小説「由縁の女」(のちに「ゆかりのをんな櫛笥集」と改題)は川端康成が「最も傑れたものの1つ」と評し、昭和14年発表作「縷紅新草」は後年、三島由紀夫をして「神仙の域に達している」感嘆せしめましたが、これが小説として最後の作となります。
彼を敬愛する故郷の市民は多く、生誕百年の昭和48年に金沢市は泉鏡花文学賞を制定してその業績を顕彰することになりました。
また平成11年11月14日には、生家跡に泉鏡花記念館がオープンしました。(金沢市HPより)
泉鏡花記念館・泉鏡花生家跡(金沢市尾張町2-12-7)
泉鏡花墓所・雑司が谷霊園(東京都豊島区南池袋4)
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